こんにちは。
安藤はま子です。
夫婦喧嘩が激しかったり、冷戦状態が続いていたりすると、子どもは家庭の雰囲気を感じて心や身体に悪影響が出やすくなりますので注意が必要です。
この記事では両親の不仲が子どもに与える影響や親が子どもをフォローするポイントについて解説していきたいと思います。
さらに、子どもの心を落ち着かせるために親自身がどうすればいいのかにもふれました。ぜひ参考にして、家族や自分の再生のための参考にしてください。
両親の不仲はどんな子どもに影響が出やすいか
夫婦喧嘩をしたときに子どもに見せたい、聞かせたいと思う親はいないでしょう。しかし、夫婦喧嘩をしているとほとんどの子どもたちは喧嘩の様子を見たり聞いたり、両親の不仲な雰囲気を感じ取ったりしています。
喧嘩に夢中の親は子どものことにまで気持ちがいきませんが、子どもは両親の不仲な状態をみているうちに湧いてくる不安、恐怖、あきれ、怒り、悲しみなどの感情に対処しきれなくなります。解決の方法もわからず、相談もできず、耐えきれなくなり精神的、身体的にダメージを受けてしまいます。
子どもですから、目の前で起こっていることをストレートに受けてしまいます。大人のように、いろいろな事情があることなど想像できませんから、激しい言い合いのシーンを見れば仲が悪く、憎みあっていると感じます。ただ、両親の喧嘩や不仲な様子を見聞きして、その後とても傷つくか、少々傷つくか、ほとんど傷つかないかは子どもによりさまざまです。
子どもの考え方、性格、行動の仕方などによって受けるダメージは違うのです。すべてのこどもに悪影響があるというわけではありません。影響が出やすい子、あまり出ない子がいます。
では、どんな子どもに悪影響が出やすいのでしょうか?
繊細な子、表に気持ちを出せない子、怖がりな子、おとなしい子などは、心や身体に解消しきれない感情や思いが溜まりやすく、内側に向かっていくので心や身体に悪影響としてあらわれやすいのです。
精神的にも不安定になりやすく、大人になっても影響を引きずることが見受けられます。
よくしゃべる子、行動的な子、スポーツなどをしている子は、心や身体に生じた感情や思いを外に向けて出し、発散できるため影響も軽くなります。一時的に非行などに走って荒れたとしても、長い目でみると大人になってたくましく生きていけるようです。
おとなしく寡黙でも忍耐強さを持っている子どもは、影響はでますが、完全に精神や身体を壊すところまではいかず、人生の苦難をうまく乗り越えていくようです。
両親の不仲であらわれる悪影響
両親の不仲が続けば子どもにとってストレスになります。ストレスを受け続けることにより精神や身体に影響があらわれます。両親の不仲によって具体的にあらわれる悪影響は、大きく分けて2つの側面から語ることができます。
- 精神にあらわれる悪影響
- 身体にあらわれる悪影響
精神面だけ、身体面だけに出る場合と両方に出る場合があります。
精神にあらわれる悪影響
- 情緒不安定になる
- 自分に自信がもてなくなる
- 人間不信になる
- 自分のせいだと思ってしまう
- 大きな声や物音を怖がる
- きょうだいや友達をいじめる
- 暴力的になる
- ひきこもる
- 結婚することや子どもを持つことを望まない
身体にあらわれる悪影響
- お腹が痛い
- 頭が痛い
- 頻尿
- 熱が出る
- 眠れない
- 夜驚(やきょう)⇒夜に目覚めて大泣きをしたり、叫んだりする
- おねしょ
ダメージを受けた子どもへの対処法
このように精神や身体に悪影響が出ますが、それらは気が付いた早い段階で少しでも解消うしていくようにしないと、大人になっても受けた影響が残っていってしまいます。
身体に症状が出る場合には、影響がわかりやすいのですが、精神面に出た場合にはわかりづらいものです。しかし、近くにいる親は子どもに起きている変化を何となく感じ取るものです。そうした時には夫婦喧嘩は中断して子どものフォローをしないと、ストレスに耐えきれない子は精神や身体が壊れていってしまいます。
ここではダメージを受けた子どもに対して親ができる事を5つあげました。
(1)子どもに関心をもつ
夫婦関係がうまくいっていないと、親は自分の悩みで心も頭の中もいっぱいな状態です。子どものことは二の次になり子どもへの関心が薄れてしまいます。少し冷静になって子どもへの関心を持つようにしてください。
子どもは両親の喧嘩や冷戦状態を見ていて、心も身体もつらくなって助けを求めていますが、それを誰にも言えないことが多いのです。大人のように言葉でうまく伝えられなかったり、親が大変そうにしているのをみて心配をかけてはいけないと思ったり、不仲な親に相談しても解決できなさそうに感じたりと、子どもの心は複雑な思いでいっぱいです。
子どもの様子をよく見る、声をかける等、子どもに関心を持つことで何をしたらよいか分かるようになるでしょう。また、子どもに関心をもつとそれを子どもも感じ取り、親から愛されていると感じられるでしょう。
そうです、関心を持つとことは相手に愛を伝えることなのです。
(2)辛い思いをさせていることを謝る
子どもは辛い気持ちを一人で抱え、胸のつぶれる思いで毎日を過ごしています。そうした気持ちにさせてしまった事を子どもに謝りましょう。出来れば、ここは夫婦そろって子どものために協力してほしいものです。
親に気持ちをわかってもらえる、喧嘩ばかりしていた親が自分のために協力している姿は子どもを安心させます。
家族関係が壊れる怖さ、将来への不安、自分が何もできない辛さなど子どもの心は不安定になっています。それを変えてあげられるのは親ではないでしょうか。
(3)子どもの気持ちを発散させる
心の開放をしないと、子どもの心は閉ざされたまま辛い時間を過ごさなければならないでしょう。
ネガティブな気持ちや思いを発散することで、心が癒され、前向きになっていけるようになります。子どもの気持ちを発散させるには次のようなことを試してみてください。
気持ちや言いたいこと等を聞いてあげる
カウンセリングでは、相談者の心の中にある気持ちや言いたいこと等を聞きます。それだけでも人は心が軽くなるものなのです。親はカウンセラーになる必要はありませんが、子どもの感情や親や自分に言いたいこと等を十分聞いてあげてください。徐々に心が楽になるはずです。
一緒に体を動かす、遊ぶ
身体を動かすと代謝が良くなりデトックス効果が高くなると言われています。汗が出るだけではなく、ネガティブな感情なども外に出ていきます。あなたもちょっと歩いただけで気持ちが良くなったり、リラックスした状態になった経験があると思います。
心の中にたまったネガティブな感情や思いを出すために、親子でウオーキング、ダンス、体を使う遊びをしてみてください。
また、ゲームをしたり、読書、絵を描くなど子どもが好きな事を一緒にすることで心が解放され、癒されることでしょう。
(4)子どもに長所を伝える
子どもは両親の不仲な様子を近くで見続けて、親の言動を怖く思う、自分のことも親のことも解決できない自分を責める等しているうちに、「自分には力が無い」、「何をやっても駄目だ」等と自己否定をしたり、消極的になったりします。
子どもに長所を伝えることで、自分の良さを知り、自信を持てるようになっていきます。一度だけではなく、折を見て伝えてください。
また、家族でお互いの良いところを言い合うのも気持ちの安定や自信につながるでしょう。家族が仲良くなるきっかけにもなります。そうした機会を週一回行う時間を決めておくとやりやすいと思います。
(5)親に頼ることも大切だと教える
夫婦の争いに夢中の親を見ていると、「親には頼れない」「心配させてはいけない」と思い、辛さをすべて自分で抱え込んでしまいます。
しかし、未成年者が自分のことだけでなく親の心配まで抱えていては、その重みに心が崩壊しかねません。
自分が親であることを思い出し、子どもの心を察して、「辛いときは親に頼っていい、甘えていい」と話してあげましょう。自分が困った時には親をはじめとして周りの人に頼れることは、その子どもの能力となります。それは依存とは違います。
夫婦仲が悪くても、親が頼れる存在であり子どものことを考えていることをしっかり伝え、子どもの心配や不安を少しでも解消してあげましょう。
両親の不仲にもメリットはある
ここまで両親の不仲が子どもに与える悪影響としてデメリットばかり書いてきましたが、何事にもメリット、デメリットがあるものです。
両親が不仲な中で育つ子どものメリットは、子供はとても傷つきますが人間的に鍛えられる側面もあるということです。辛い状況下で育つと下記のようなことがあります。
- 親から早く独立しようとする
- しっかり者になる
- 忍耐強くなる
- 争いを恐れない
しかし、この様になる子どもはある程度強い子どもです。繊細すぎる子どもは親の不仲に耐えられず、精神的な病気になったりもしますので、やはり夫婦関係は早めに変えていかなければならないでしょう。
ここでメリットをお伝えしたのは、夫婦仲が悪いから子どもに申し訳ないと親が自分を責めるばかりでも良くないと思うからです。夫婦関係が悪かった過去を振り返って、子どもにとってメリットもあったのだと安心していただければと思います。
親自身が自分のためにできること
最後に、親がどのようなことをすれば子どものため、自分のためになるのかについて書いておきます。
(1)自分を安定させるためにカウンセリングを受ける
長い間夫婦関係が悪いと子どもにも影響が出ますが、親自身も傷つき、良い答えもなく、心も身体も消耗しています。
先ずは自分自身のケアが必要です。そうでないと子どもを救ったり、家庭を立て直すのは難しいはずです。
カウンセリングの中で、心を癒し、この先どう進むことが自分や家族の幸せになるのかをしっかり考えていくことをオススメします。
(2)夫婦関係の修復をする
子どもの本心は親と共に仲良く暮らしたいのです。
子どもは両親の激しい喧嘩や冷戦状態をみていると耐えきれず、「早く離婚してほしい」と思いますが、本当は、できる事なら両親と一緒に仲良く暮らしたいと思っています。
夫婦関係が悪いと離婚と言う文字も頭をかすめることがかもしれませんが、緊急事態でなければ先ずは
「夫婦関係の修復」を試してみてはいかがでしょうか?
夫婦関係が改善されれば、子どもへの悪影響もなくなり、親自身も穏やかに暮らせます。
まとめ
両親の不仲が子どもに及ばす影響はかなり深刻です。しかし、子どもの性格によって夫婦の不仲に対する反応は違います。子どもの様子を見ながら子どもの心に安心感が戻るようフォローすることです。
お困りの時にはサラカオルへご相談ください。⇒*カウンセリングはこちら