こんにちは。安藤はま子です。
「幸せになりたい」と思うことはあっても、自分の頭の中で思い描いていることをしっかり把握している人は少ないでしょう。
私のところへカウンセリングやセミナーを受けにいらっしゃる方も、ほとんどの方は幸せについてご相談されませんが、その方なりの幸せについての理想はあります。私はその方の幸せについてカウンセリング途中で話し合うようにしています。
このように幸せとは改めて考えてみないとぼんやりとしてわかりづらいものです。それでも多くの方はなんとなく、「幸せになりたい」、「幸せを感じたい」と思うのではないでしょうか。
今回は幸せとはどのようなものか、あなたがしあわせを感じられるためにはどのように生きればいいのかについてお話ししたいと思います。
幸せとは?
幸せとは、「その人にとって不満がなく、望ましい状態」のことを指します。心理学の「ウェルビーイング」という言葉に近いかと思います。「心身ともに満たされた状態、よく在る状態」のことです。
幸せを感じるときとは次のようなことが一般的にあげられます。
- 愛すべき人がいること、そして誰かに愛されること
- 自分のやりたいことを思う存分にやること
- 心身共に健康でいること
- 新しいことに挑戦すること
- 経済的な豊かさ
しかし、これらはあくまでも例であり、幸せの中身は人それぞれであり同じ人はいません。人の数だけ幸せの形もあるのです。しかし、その内容を把握している人は意外と少ないのです。
幸せについて考えることの重要性
なぜ人は幸せを求めつつも幸せにについて真剣に考えないのでしょうか?
- 日々の生活に追われて時間がないから?
- 自分の悩みや健康状態が悪く精神的なゆとりがないから?
- 考えたからと言って幸せになれるわけではないから?
- 幸せになれると思っていないから?
理由はその人によって違うでしょうが、「幸せについて」考えることは、精神的・身体的にある程度のゆとりがないと考えづらいということは確かにあります。
しかし、「幸せになりたい」「自分の幸せって何だろう」と考えることをしないのはもったいない事です。
なぜなら、幸せはあなたが思うほど難しい事ではなく、案外簡単に幸せを感じられたり幸せになれたりするものだからです。
また、心理学者であり作家のショーン・エイカー氏は、幸福に関する研究の結果「『自分は幸せだ』と思える人ほど、良い結果を生んでいる」と語っています。ここでの「結果」とは仕事も人生もという意味です。
幸せについて考えることは、あなたの人生に以下のような良い影響をもたらします。
- 生きる上で方向性がわかり迷いが少なくなる
- 心身が健康になる
- 幸せを意識することで自分や物を大切にする生き方へと変化して、自分の望むものを現実化しやすくなる
「幸せについて」考えることは、このようにあなた自身が内面から変化していくことになりますので、どこかのタイミングでぜひ時間を取って考えてみてはいかがでしょうか。次章の「幸せを感じられるようになる方法」も参考にして考えてみてくださいね。
幸せを感じられるようになる方法
「幸せになること」は最終ゴールです。そのような状態に向かって幸せを感じながら生きていくプロセスにあなたの幸せはあります。
ここではあなたが幸せを感じられるようになる方法について解説しました。
- あなたの幸せの定義を知る
- 今ある目の前の幸せに気付く
- 幸せのレベルを下げる
- 一人でも信頼できる人をもつ
- 幸せホルモンを増やす
それぞれについて説明していきますね。
あなたの幸せの定義を知る
幸せとはよく使われる言葉ですが、では「あなたの幸せの定義はなんですか?」と聞かれたら、サッと答えられる人は少ないでしょう。
それほどに「幸せ」とは曖昧なものですし、「私の幸せは○○」と答えられるほどしっかり考えたことのある人は少ないからです。
でも、とても重要であることは先ほどもお伝えしました。そして、幸せの中身も個人個人違うのです。
【ワーク】紙と筆記用具を用意するなどして、あなたの求めている幸せはどのようなものであるのか書き出してみてください。そして、あなたなりの幸せの定義を作ってみましょう。
自分の幸せについて把握できていると、あなたは生きていくうえで道を選択するときにあまり迷わなくなり、安定した気持ちで人生を歩んでいくことができるようになります。それがあなたの軸となるからです。
自分軸が安定していると、人は幸せを感じられるものです。
私は以前、幸せについてのミニ講座を行ったことがあります。そのとき、「あなたにとって幸せとは何ですか?」と皆さんに書き出していただきました。参加者は社会で成功したい目的意識の強い方が多かったのですが、少しびっくりしたのは、女性が多かったせいもあるのかもしれませんが、「家族が仲良く暮らすこと」というのが幸せの条件として結構入っていたことです。
今ある目の前の幸せに気付く
メーテルリンク作『青い鳥』はチルチルとミチルが貧しくてクリスマスツリーもご馳走もなく、お隣の豪華なクリスマスを窓越しに見て羨むシーンから始まります。
幸せを過去や未来に探すのではなく、また人の持っているものを羨むのでもなく、今あなたが持っているものの中にこそ幸せがある事を気付かせてくれる童話です。
『青い鳥』は童話ですが、世の中の真理でもあります。今自分が持っているものに幸せを感じられることがあなたを幸せな気持ちにしてくれます。
【ワーク】紙と筆記用具を用意して「あなたの今持っているもの」、「あなたの生活にあるもの」を書き出してみましょう。
例えば、自分の身体、健康、家族、兄弟、親戚、友人、知り合い、仕事、資格、服、バッグ、食料、水、空気、植物、太陽の光、空、水道、携帯、Wi-Fi、夜空、お酒、お菓子、音楽、本、絵、面倒を見てくれる人、面倒を見てあげられる人、休暇、ゲーム、漫画、ドラマ、映画、車、賃貸アパート、家等々です。あなたが持っているもの、あなたの生活にある物はたくさんあります。
当たり前のようにいる人や物に囲まれて暮らしていることに幸せを感じられることこそが、あなたの幸せな人生につながっていくのです。
幸せのレベルを下げる
幸せのレベルを下げることで多くの幸せに気付いたり、幸せを感じられるようになります。
幸せのレベルが高いとなかなかそのレベルまで到着できず幸せを感じられませんが、普段使いの幸せにするとあなたの幸せ度は一気に高くなるでしょう。
例えば、都心の豪邸に住んでブランド物に囲まれた生活ができたら幸せ、自宅にフェラーリを持っていて毎日お手伝いさんが家事をしてくれる生活だったら幸せは、今すぐ手に入れられるわけではありませんから、今、幸せを感じることはできません。
でも、家族で夜一緒に食事をしていることに幸せを感じることはそう難しくはないでしょう。友人とランチをしていることに幸せを感じることも、家でのんびり過ごしている時間や一人で晩酌をしている時間も、お風呂に入って気持ちがいい瞬間も幸せを感じることができるでしょう。ゲームをしているとき、花の手入れをしているとき。幸せのレベルを下げれば幸せの感度は高くなります。
【ワーク】あなたはどんな時に幸せを感じますか?紙と筆記用具を用意して書き出してみましょう。
一人でも信頼できる人をもつ
ハーバード大学で75年に渡り700人の幸福度と要因を追跡調査した研究があるそうです。
そこで出た結論は「人の幸福と健康を高めてくれるのはいい人間関係である」ということでした。そして、人数に関係なく一人でも信頼できる人がいれば、幸せを感じられるということなのです。
いい人間関係を持つことが幸せである事は多くの人が認めるところでしょうが、実際問題としてみんながいい人間関係をたくさん持てるかと言えば、そんなことはありません。
ですが、この研究結果は私たちに勇気を与えてくれます。「たった一人の人」でいいのですから!
人間は社会の中で生きていますから、どうしても人とのつながりを必要とします。もちろん、そうでなくても幸せな人はいますが。
あなたは一人でも信頼できる人がいますか?もしいなくて必要としているなら、信頼できる人を心から求めてください。そうすれば近い将来必ず現れますので。
もしあなたが、他人とつながることは難しいと考えているのでしたら、自分自身と仲良くなるようにするか、または太陽や月、星、宇宙等を自分の友達のように思うのもいいでしょう。
幸せホルモンを増やす
心が安定して幸せを感じやすくなるセロトニンという幸せホルモンがあります。幸せホルモンとは、脳内の神経伝達物質のことで、セロトニンはそのうちの一つです。
この幸せホルモンであるセロトニンを増やすような生活の仕方をするのも幸せを感じやすくする方法です。
セロトニンには以下のような働きがあります。
- 幸せを感じやすくなる
- よく眠れるようになる
- 体調が良くなる
- ストレスに強くなる
セロトニンを増やすには以下のような方法があります。
- 寝起きに日光を浴びる
- 早寝早起きをする
- 外出して日光を浴びる
- リズミカルな運動(ウオーキングやスクワット等)をする
- タンパク質多めのバランス良い食事をとる
幸せホルモンが正常に働くことにより、心と体のバランスを安定させ、幸せを感じやすくするといわれていますので、できることを試してみてくださいね。
幸せが続かないのはなぜ?
幸せが続かないのはなぜでしょうか?
もちろん、誰でも運気は上がり下がりがあるのが普通ですから、幸せばかりが続くということはあり得ませんが、幸せが長続きしないのには、あなたのちょっとした思考の癖が関係しています。
不安があるから
幸せに対する不安があって、「幸せは長続きしない」「この幸せは壊れるのでは」と思っていると、幸せを自分で壊してしまうことになります。
子どもの頃の家庭環境の中で、幸せだった記憶の後に悲しい出来事やショックな出来事があったことが、根底にあります。
例えば、一番最初の子どもでとても可愛がられていたけれど、きょうだいが生まれて親の愛がなくなったと感じてショックを受けたということも、「幸せが長続きしない不安」となることがあります。
不安の元が解消されないと、「幸せが長続きしない」という思いが消し去れません。
こうした場合にはカウンセリングで大元の勘違いを修正することをおすすめします。
人生のアップダウンが嫌いではないから
人によっては、人生のリズムにアップダウンを好む人もいます。その方がワクワク感があり生きている気がするためです。ただ、このような場合、幸せが長続きしないということも起きがちです。
なぜかというと、幸せがずっと続くとその状態に慣れてしまい面白味を感じなくなるため、わざわざ不幸を作ってその不幸の中で頑張って生きている充実感を感じるためです。
こうした現実を創っていく人は、ある意味パワーがあるのですが、「なんで自分の人生はこんなに不幸が多いのだろう?」と思うことがあるかもしれません。
このようなことが起こる元にも「自分は幸せに縁がない」のような思い込みがあります。こうした思い込みも子どもの頃の親子関係に由来していますので、変えたいときはカウンセリングを受けるといいでしょう。
最後に
幸せは結果に対して感じることもありますが、結果はいつ得られるか分からないものです。かなり先かもしれません。もし、結果に対して感じるとしたら、幸せを感じられるのはいつになるのでしょうか。
幸せになるとは、今現在の目の前にある幸せに気付き、それを感じることでその先の未来も幸せになっているということです。
人は生きている限り悩みが生じますからいつも幸せでいることはできませんが、幸せに意識を持っていくだけでたくさんの幸せに巡り合えます。
幸せについて考えることはそうそうない事ですが、この機会に是非あなたの幸せとは何かを考えてみてくださいね。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました。