こんにちは。
安藤はま子です。
子どもは、一人っ子以外、親の愛が兄弟の誰に向かっているのかを気にするものです。
親が兄弟の誰かを特別待遇して贔屓していると感じると、その気持ちを大人になっても引きずってしまう方が多いようです。そして、親やその兄弟を憎み続けて人生を生きていくことになります。
それはとても辛いことですよね。心が癒されず、苦しい人生を歩んでいることでしょう。
このような大人になっても親の贔屓に苦しんでいる方のために、悩みが少しでも解決できればと思い記事にまとめました。
親が子どもを贔屓する心理
親によって心理は違いますが、親が子どもを贔屓することはあると思います。親も一人の人間だからです。ここでは、親が子どもを贔屓する心理について下記の6つについて説明したいと思います。その親によってひとつだけ当てはまる場合と、複数当てはまる場合があります。
- 子どものことをよくわかっている親の愛
- 親の依頼心
- 親の心を満たしてくれる
- 同性の子どもより異性の子どもの方が可愛く感じる
- 夫婦で子どもへの愛を分担してバランスを取る
- 上の子どもを亡くした
(1)子どものことをよくわかっている親の愛
親は子どものことをよくわかっています。その時その時で、子どもに何を与えればいいのかを意識的、または無意識に判断して与えています。
親の愛は優しさだけでなく厳しさという形で表現されることもあります。それを厳しくされた、かまってもらえなかったと勘違いしてしまうことがあり、他の兄弟を贔屓していると思ってしまうこともあるでしょう。
親がどの子どものことも愛していて大事に思っていることに間違いはありません。そして、一生を通せば親は子どもに対して平等です。
それは、「親が兄弟を贔屓している」というフィルターがかかってしまうとわからなくなってしまうのですが、親は長い目で子どものことを見ていて、その時々で子どもに必要な対応をしています。それは親ほどの経験がないあなたの状態では、まだわからないかもしれませんが。
お金や物や愛を、ある兄弟だけにあげているようにあなたは感じているでしょうが、実はあなたが気付いていないところであなたもお金なり物なり愛を、親からもらっているのです。自分がしてもらったことは当たり前すぎて意識できない、気付かないということはたくさんあります。
親が亡くなってから遺産や親の気持ちをつづった手紙などをもらった方もいますから、一生を通してみてみないと真実はわからないということになります。
(2)親の依存心
親の年齢になったら完璧な人間になっていると子どもはどこかで思い込んでしまいますが、親はあなたが思っているほど出来上がった人間ではないのです。ですから、しっかりした子どもや長男、長女に対して依存する気持ちが生まれる場合もあります。すると、頼りになる、将来頼りにしたいと思う子どもを贔屓してしまうことがあります。
親が末っ子や子どもっぽい面がある、配偶者がいても頼れない、離婚していてひとりで子育てをしている場合などにありがちです。子どもを育てていく、家庭を守っていくことは時に一人では大変な時があります。相談できる、頼れる相手は親にとっても大事なのです。
(3)親の心を満たしてくれる
親は自分にはない優秀さや有能さ、可愛らしさ、元気さなどを持っている子どもに、自分の欠けた部分を埋めてもらえているようで、親の心を満たしてくれる存在として贔屓をしたりすることがあります。
また、親の辛さを分かってもらいたいときに話を聞いてくれたり、明るくして心を和ませてくれる子どもなどにも親は喜びを感じ、その子に感謝することがあります。
親は自分の気持ちを満たしてくれる子どもと一緒にいるときは笑顔が多い、ついその子には優しくしてしまうなどということがあるかもしれません。他の兄弟からしてみると贔屓をしているように感じるのではないでしょうか。
(4)同性の子どもより異性の子どもの方が可愛く感じる
男親は男の子をライバルのように感じることがあるようです。女親は女の子がハッキリ物を言うのできつさを感じることがあるようです。同性なので分かり合える部分も多いのですが、同性だからこそ自分と同じような面を見て嫌悪してしまうことがあるのです。
そして異性の子どもであれば、出会った頃のすべてが好ましかった配偶者のようにも感じられます。男親にとって女の子はしっかりしていたり可愛く見えるでしょうし、女親にとって男の子は優しくて頼もしい存在に感じられるでしょう。
このように、異性の子どもは自分の性格とは違うところや若々しい感性が魅力的に映り、なんとはなく贔屓をしてしまうということがあるのです。
(5)夫婦で子どもへの愛を分担している
たとえば、妻が下の子を贔屓しているのを見ていて、夫が上の子を可愛がるということは良くあります。両親で子どもへの愛を分担しているようですが、こうして夫婦で兄弟間の愛のバランスをとっています。特に話し合ってそうなるというよりも、夫婦は阿吽の呼吸で家庭内のバランスを取っていることがあります。
下の子からしてみたら、父親は上の子を贔屓しているように感じるかもしれませんし、上の子からしてみたら母親は下の子を贔屓していると感じるかもしれませんね。
(6)上の子どもを亡くした
最初の子どもを流産したり、生まれても早くに亡くなった子どもの次に生まれる子どもは、非常に大切に育てることがあります。親が子どもを守りたいと思う気持ちが強くなるからです。
こうした場合、他の兄弟は親がその子を贔屓していると感じるかもしれませんし、親もその子は特別な子どもとして贔屓しがちです。
親が兄弟を贔屓していることで悩むメリット
親が兄弟を贔屓していると思い続けることは辛いことですが、次のような良い点もあるのです。問題があるときに私たちはデメリット面ばかりを見てしまいますが、メリット面にこそ問題解決のヒントが隠されていますので、ここを知ることはとても重要です。その方により違いますのでもっと他のことかもしれません。ぜひ、あなたのメリットは何か考えてみてください。
- 自立した人になれる(親への反発心からしっかりした人になり、経済的にも精神的にも自立できる人が多い)
- 平等な人になれる(「親のような贔屓はしない」と強く思うことで子育てや他の面でも平等を意識した人になりやすい)
- 恨みをぶつけることで親から物やお金、愛をもらえることもある(親は子どもから責められると申し訳なく思うため)
親が兄弟を贔屓していることで悩むデメリット
親が兄弟を贔屓していると思い続けることのデメリットももちろんあります。次のようなことです。デメリット面は自分でもなんとなくわかる部分ではあるでしょうが、改めて押さえてみることで、現状を変える一歩になるかもしれません。デメリットも各々違いますし他にもありますので、あなたの感じるデメリットが何か考えてみましょう。
- 穏やかな気持ちが得られない(親や兄弟への怒りや愛されていない悲しみが心にあるため)
- 頑張りすぎて疲れる(贔屓をしている親への恨みから、親よりも素晴らしい人になるために頑張りすぎるから)
- 自分への評価が低くなりがち(親から愛されていないと思うため、自分に価値を見出せないこともある)
自分で自分の感情を解消する方法
親の贔屓に対してあなたの心の中には悲しい、寂しい、失望、怒りなどたくさんのネガティブな感情があるはずです。その感情を抱いたまま生きていくのはとても辛いはずです。ここではその感情を自分で解消できる方法を説明します。これは一人になり丁寧に行ってください。
- ネガティブな感情が自分の中にあることに気付き、認める
- 心の中にあるすべてのネガティブな感情や思いを口にして出してしまう
- 辛い思いを抱えて生きてきた自分のことを、自分が分かってあげ、ほめてあげる
こちらの記事「親との関係性を修復する5つの方法」も役に立つと思いますので、試してみてください。
親に自分の気持ちを理解してもらうには?
最初に「親が子どもを贔屓する心理」について読んでいただきましたので贔屓している親の心理がとても複雑であることに気が付かれたのではないでしょうか?
あなたから一方的に「親は子どもを理解するべきだ」と思っていても、親に自分の気持ちを理解してもらうことはできません。あなたの方からも親の心を理解しようとすることが、親にあなたを理解してもらえるいちばんの近道です。
自分で解決することはできるか?
親を変えたから心のわだかまりが取れるかというと、そうとも言えない部分もあります。なかなか真の問題が解決しきれずスッキリしないで、親への不満や恨みを引きずってしまうということもあります。
親の贔屓についての本当の解決は、他の悩み事と同じで、自分を変えることでしかできないのです。
親との問題はそこに大きな成長のきっかけがあります。親の姿は自分の姿でもありますから自分が贔屓をしない、平等にこだわりすぎることをなくす、計算しすぎない、寛大になるなどの変化があなたに必要だということです。
親の贔屓についての解決は、ここに書いたことや他の記事を参考にして多少はできると思います。しかし、親との問題は、人生の大元にあるその方の思考や感情が大きくかかわっているため、自分だけで変えていくことが難しいのです。根本からの解決をなさりたい方はサラカオルのカウンセリングにお申込みください。