こんにちは。安藤はま子です。
自己肯定感を上げれば幸福度が増すことや物事がうまくいきやすくなるということはご存知の方が多いと思います。
しかし、自己肯定感を上げたいと思っていても「難しい」、「どんなことをすればいいのか分からない」ということはありませんか?
今回はその自己肯定感について高め方や注意点などについて解説していきたいと思います。記事は「意識」に重点を置いた内容にしてみました。参考になれば幸いです。
自己肯定感とは?
自己肯定感とは、実はきちんとした定義があるわけではないのです。
日本では、1994年に心理学者の高垣忠一郎氏が最初に自己肯定感の概念と重要性を提唱しました。
高垣氏は、自己肯定感とは「自分の存在を認めること」と表現しています。
一般的によく使われている自己肯定感の定義は、「ありのままの自分を認めること」でしょうか。
私が考えるに、自己肯定感には以下の二つの概念が含まれるのではないかと思います。
- 自己受容
- 自己信頼
それぞれについて解説します。
自己受容
自己受容とはありのままの自分を受け入れることです。
ありのままの自分とは、自分に才能があるとかないとかではなく、役立つとか役立たないとかでもなく、自分が生まれ存在していることを何も評価せずそのまま素直に認め、受け入れることです。
人は存在自体に意味があり存在していることに価値があるのです。自分の性格が良い悪いと評価したり、失敗したから成功したからと評価することではないということです。
良いときの自分は好き、駄目な時の自分は嫌いではなく、どの自分もOKと言ってあげることなんです。
自己信頼
自己信頼とは無条件に自分を信頼することです。
頼りない自分、頼れる自分に関係なく、ある時は信頼できるけれど、ある時は信頼できないというのではなく、どんな時も自分を信じて頼ることです。
それは自分という存在や自分の全意識を信じてこそ頼れるということです。
あなたの意識には顕在意識、潜在意識、超意識がありますが、それらすべての意識を信頼することが自己信頼です。
現在の心理学では意識について以下の3つの領域があると言われています。
- 顕在意識:自覚できる意識
- 潜在意識:個人の知識や経験が集まっている自覚できない意識
- 超意識:潜在意識のより深い領域で個人を超越した宇宙全体と言われる自覚できない意識
スイスの心理学者であり精神科医であったグフタス・カール・ユングは、意識の領域について下記のように提唱しています。
集合的無意識(しゅうごうてきむいしき、ドイツ語:kollektives Unbewusstes、英語:collective unconscious)は、カール・グスタフ・ユングが提唱した分析心理学における中心概念であり、人間の無意識の深層に存在する、個人の経験を越えた先天的な構造領域である。普遍的無意識(ふへんてきむいしき)とも呼ぶ。個人的無意識の対語としてあり、ユングはジークムント・フロイトの精神分析学では説明の付かない深層心理の力動を説明するため、この無意識領域を提唱した。
Wikipedia
つまり、ユングの語る意識とは人間には自覚できる「意識」(顕在意識)と自覚できない「無意識」(潜在意識)があり、そして無意識(潜在意識)には個人の経験や知識が蓄えられている「個人的無意識」、生まれながらにして備わっている生物・民族・人類などに共通して伝わっている「集合的無意識」という意識があるということです。
集合的無意識(超意識)は、個々ではなくより大きな全体の意識であり宇宙全体だと言われています。
超意識はシンクロニシティ(偶然の一致)、ひらめき、直感、などを起こし、あなたに答えをくれたり願いを叶えてくれる非常にパワフルな意識です。
これらの意識を自覚できても、自覚できなくても自分には素晴らしい意識という働きがあると思えればいいわけです。その意識を信じて頼っていくことで自分軸ができます。そして、様々な場面で心が揺れても自分を信頼するところへと戻っていくことができると考えられることが自己信頼です。
それは起こった出来事を受け入れて生きることでもあります。起こったことはあなたの潜在意識から生じているからです。例えば、出社するために電車に乗ったら途中で止まってしまい、仕事に遅れたとします。あなたは「なんてついていないんだ」と思うかもしれません。ですが、電車を止めたのはあなたの潜在意識です。
顕在意識は「仕事に行かなければ」と考えていますが、潜在意識は「仕事に行きたくない」と考えていたのかもしれません。この場合、思考が矛盾していますよね。どちらの思考もあなたですので、それを受け入れ信頼していけばいいわけです。会社に頑張っていこうとしているあなたを認め信頼し、行きたくないあなたも認め信頼し、自分の考えを否定しないことです。
すると、あなたの中に自己否定がなくなっていきます。潜在意識はあなたの望む方へ進んでいきますので、あなたの意識を信頼して、起こる出来事を受け入れその時その時にできることをしていけばいいのです。
あなたの意識のすべてを信頼していけば超意識も共に動きはじめ、あなたの人生は良いことも悪い事も起きつつあなたを成長させていってくれるでしょう。
自己肯定感を高めていくためには自分の内側が非常に重要だということです。
自己肯定感を高めるには順番がある
カウンセリングを行っていていつも感じるのですが、心が整わないうちにアドバイスをしてもアドバイスを実践できないのです。自己肯定感を高めるにも順番があります。簡単に説明しておきます。
- 自己肯定感を下げている土台部分の修復を行う
- 自己肯定感を素早く上げる方法を行う
- 自己肯定感を少しずつ高めていく方法を行う
自己肯定感が低くなっている状態で2番や3番から行っても、自己否定や自分を信頼できないため学びが定着しないのです。うまくいかないとすぐにあきらめてしまう原因にもなります。
「自分は失敗する」と思っている人が「私は全てうまくいく」と毎日唱えても、自分を信じられないため、仕事で連絡ミスをしてしまったら、「やっぱり自分は失敗してしまう。全然うまくいかない」という思考に戻ってしまうのです。
このように元にある否定的思考をある程度修復しないと、自己肯定感を上げるのは大変難しいということです。それで1番から順に行うことをおすすめしている訳です。
2番目を行う目的は、自己肯定感を素早く上げることで3番の練習を行いやすくするためです。2番目の練習がうまくいくと自己肯定感が一時的に高くなるため、自信が生まれポジティブに物事をとらえやすくなるからです。
もうすでにある程度の自己肯定感がある方は2番素早く上げる方法からでもかまいませんが、自分では見えない部分に自己肯定感アップを妨げている問題があるかもしれませんので、できる方は1番の心理的問題の解決からなさるとより自己肯定感を高めていくことができるでしょう。
自己肯定感を高める3つのステップ
先ほども申し上げた通り、自己肯定感を高めるには順番が重要です。これからご紹介する方法は、順番を意識した3つのステップになっています。あなたに合わせてお使いください。
トラウマ等による自己否定があると心を閉じてしまいエネルギーの流れが滞ってしまいます。これは自分が潜在的に持っているより良い方へ流れて行く力を、トラウマ等にさえぎられて信頼できなくなるからです。
あなたの自己肯定感を下げている自己否定やトラウマ等の心理的問題を解決するには、潜在意識やインナーチャイルドを扱っているカウンセリングやセラピーを受けることが最適です。
自己肯定感が低くなっているときには、一人で上げていくのはかなり大変ですし、潜在意識は自覚できない部分ですので専門家に頼った方が行いやすいでしょう。
もし、自分だけでトラウマを解決してみたい、何とかしたいということでしたらイメージトレーニングを試してみてください。イメージトレーニングは思考だけを使うやり方よりも効果が出やすい方法です。やり方は以下の通りです。
1 悪い場面を良い場面にイメージし直す
例) 目を閉じて、トラウマとなっている、あがってしまって歌がうまく歌えず笑われている場面を思い出します。その時に感じた恥ずかしさや怒りなどのネガティブな感情を言葉にして全て吐き出します。そして次はみんなの前で歌がとてもよく歌えて拍手されている場面にイメージし直します。その時の喜びを感じます。
2 次回以降も同じ場面で成功して、喜んでいる場面をイメージする
例) 次に歌うときもみんなの前であがらずとても上手に歌えて、みんなから拍手され、自分も喜んでいるところをイメージします。
素早く上げるやり方として言葉を使った方法をご紹介します。
■瞬時に上げる言葉を唱える
「私は運がいい」、「私なら大丈夫」、「先の心配はしなくていい」等を好きなだけ唱えます。
■ありのままの自分を受け入れる言葉を唱える
「あなたは今ここに存在しているだけで意味があって価値があるんだよ。良いときも悪いときもあなたの元は何も変わらずパワフルだよ。忘れないで!」と、自分に向かって言います。
これらの言葉は素早く自己肯定感が高まりますが、時間と共に下がっていってしまいます。たまにでかまいませんので継続して行うと自己肯定感が定着していきますよ。
鏡の自分に向かって言えばさらに強力です。
自己肯定感を少しずつ高めていく方法として、自己受容を高める用と自己信頼を高める用の2つをご紹介します。
■自分の行動や感情を書き止めて受け入れる練習(自己受容)
ノートにその日の良い出来事、悪い出来事どちらでも書き出して、「うん、うん、そうだったんだね。」と、自分で自分の話を聞き、感情や行動を肯定し、共感する言葉を書き込みます。そして、駄目な自分もうまくできた自分も認めます。
例)仕事で私だけミスをして落ち込んだ。私だけなんでだろう?私って本当に駄目だ。
→そうだったんだね、悲しかったね。がっかりしたよね。すごく残念かもしれないけれど、ミスをしても、駄目でもいいんだよ。そういう自分も自分なんだ。一日お疲れ様。
■潜在意識である超意識に質問をして、答えをもらう練習(自己信頼)
悩んでいること、迷っていることだけではなく、聞きたいこと等を、潜在意識である超意識に話し、答えをもらう練習です。答えはすぐ返ってくる場合もありますが、時間がかかることもあります。
待っていれば、これが答えだと分かるはずです。
これを繰り返していると、自覚できない意識でも信頼できるようになっていくはずです。顕在意識だけで考えていると、いつまでたっても答えが出ないことも、潜在意識に聞くとあなたの本当に望んでいる答えが分かります。
例)婚活パーティーで出会ったAさんと結婚をするか悩んでいます。答えを教えてください。
→何日かしてお風呂で湯船につかってゆっくりしていた時に何気なく「私はAさんと結婚したいのかな?」と考えていた。条件など考えず、心で感じるなら「結婚したいか?」とぼんやり感じていたら、自分の気持ちは「結婚することが心地良い」と思えた。これが答え。
顕在意識だけで考えていると、条件に振り回されて自分の本当に望んでいることが見えなくなってしまうことがよくあります。楽しみながら試してみてくださいね。
自己肯定感を高めるときの注意点
自己肯定感を高めていくときの注意点についても触れておきます。
自己肯定感を高めていくには少し時間がかかります。焦ってしまうと上手に高められず、それが新たな失敗体験となり「やっぱり自分は駄目だ」と、逆に自己肯定感が低くなることがあります。日々少しずつ身につけていってください。
また、自己肯定感は成功して自分に自信をつけることだと考えていると、表面的な自分を高めることで自己肯定感を上げられたように思ってしまいます。あなたの根っこの部分が揺らがないことが真の自己肯定感であることを忘れないようにしましょう。
それでも、自分より自己肯定感が高い人と接すると心が揺れることはあるでしょう。
自己肯定感が高い人と接してネガティブ感情が湧いてきたときは?
自己肯定感が低いと、自己肯定感の高い人と接しているとき相手にネガティブ感情が湧いてくることがあります。このような場合どうすればいいのか以下にまとめました。
- 相手も自分も結局は一緒と考える
- 嫉妬心が湧いたときは自分に問いかける
- 辛いときはその場を離れて自分の感情や行動を認める
それぞれについて見ていきましょう。
相手も自分も結局は一緒と考える
相手は自分を映す鏡ですから、自分の中にも自己肯定感が高い自分がいることを思い出しましょう。
意識のところでお話ししましたが、個々人も究極的には宇宙全体の一部であり大元は共通意識でつながっています。みんな一緒ということです。
自分の中にも自己肯定感が高い部分がある。また相手にも自己肯定感が低い部分もあると考えれば、相手と比べて嫉妬することや自分を責めることには意味がないと分かるのではないでしょうか。
嫉妬心が湧いたときは自分に問いかける
それでも嫉妬心が抑えられないときには、「自分は本当にそれがほしいの?」と潜在意識に自問してみましょう。本当はそれほどではないのかも・・・。
自問することで自分の本当に望んでいるものや望んでいる環境がわかるはずです。
辛いときはその場を離れて自分の感情や行動を認める
どうしても辛くてその場にいたたまれない場合は、その場を離れて相手や自分に対しての感情や行動を考えてみてください。
「私、あの人に嫉妬している。」「今、自分を責めている。」このように認めることで心が落ち着き、違った考え方や行動へと変えていけるようになります。そうした自分を認めることも自己受容です。
こうした感情や行動は別に悪い事ではありません。人間でしたら誰でも大なり小なりそうした感情、思考、行動があるものです。
あなたには様々な面があり、それを良い悪いと判断しないで全て認めていくことで、自己肯定感が徐々に上がっていくのです。
最後に
今回は自己肯定感とその高め方についてお話ししました。
いかがだったでしょうか?
自己肯定感とは自己受容と自己信頼を含んだ概念であり、ありのままの自分を受け入れることです。自己肯定感はどんな人でも身につけられます。
あなたも自分と向き合い、すべての自分をそのまま受け入れていってみませんか?気が付いたら、少しの風には揺らがないあなたになっているはずです。
自己肯定感を高めていきたい方は、私の元でもカウンセリングを行っておりますのでぜひおいでください。
最後までお読みいただきありがとうございました。