こんにちは。
安藤はま子です。
私はカウンセリングの中で家族関係についての話をお聞きすることが多いのですが、「家族」とは本当に不思議な関係だと感じています。
家族には、楽しい思い出や愛などのポジティブなこともたくさんありますが、秘密や憎しみなどのネガティブな面もあります。
秘密は、外の人には見せない面で、家族だけが知っていることが多いものです。家族内でも秘密の話についてはあまり口にされません。なかったこととして触れないようにしています。
秘密は、外に出せばいいというものでもありませんし、そっとしておくのも悪くはないと思います。ただ、秘密を持っていることに耐えられない人は、しゃべったほうが精神的に楽だと思います。
家族間の秘密や憎しみを、外で吐き出している人も結構います。以前話題になった「大塚家具」の親子は、親子間の憎しみの感情を家族内だけではなく社会に向けて公表していますよね。秘密や憎しみも大きくなりすぎると外に出して何とかするしかなくなります。
家族とは、とても関係が深い存在です。深い関係だからこそ、喜びも憎しみも倍増されて感じられます。そして、家族の中で独特の世界がつくられていきます。
家族内の話をうかがっていていると、その家族にとっては普通のことでも、世間的に考えると普通でないということもあります。特に長年一緒に暮らしている家族内では当たり前になってしまっていて気が付かないということがあります。
カウンセリングの場でそうしたことを感じたときには、「世間的には○○かもしれない」ということを伝えます。そうすることで気付きがあって変化につながっていくこともあるからです。
仲が良い悪いは別にして、家族がいることは幸せなことです。家族は、深いところでは愛で結びついています。だからこそ激しく憎しみあったりします。頼ったり突き放したりします。鋭い突っ込みをすることもありますよね。
愛はやさしく温かいだけではなく、厳しく冷たいときもあります。家族は厳しく冷たい愛で表現しがちなことを覚えていると家族への勘違いをしなくてすみます。
家族との関係の中で起きた出来事を自分の問題として考える癖をつけると、姿を変えていた愛が見えてきます。人間としての成長もできます。家族とは、深いつながりをもち、成長させてくれる素晴らしい存在ではないかと思います。