こんにちは。安藤はま子です。
最近よく目にする「自己肯定感」という言葉。
自己肯定感とは「自分は大切な存在」だと思える感覚であり、「自分のことを信頼できる」感覚のことです。
あなたは自己肯定感が低い原因は家庭環境や親にあったのではないかと思っていらっしゃるかもしれません。はたしてそうなのでしょうか?
今回は「家庭環境が子どもの自己肯定感に影響するのかどうか」「自己肯定感を高めるために家庭でどのようなことができるか」について解説しましたので、参考になさってください。
家庭環境は子供の自己肯定感に影響するか?
家庭環境が自己肯定感に影響すると考えている方がほとんどだと思います。それは否定しませんが、根本の話をするなら家庭環境は自己肯定感に直接関係していないと言えます。
なぜなら、子どもは家庭環境を選んで生まれてきているため、自分の魂を成長させていくために家庭環境を創っています。ですから、自己肯定感が低い、高いということも家庭環境は二次的に影響しているだけで、本人が自己肯定感が低い、高いを決めているためです。
また、仮に家庭環境が自己肯定感に影響するとしても、その家庭環境を子どもがどのように受け取るかによって、影響の仕方も変わってきます。これも、子どもの成長過程で自分がどのように成長していくかによって受け取り方が変わるわけです。
例えば、家庭環境が影響しているとしたら、親から暴言を受けている家庭環境であったとすると、一般的には親の言葉に傷ついて他人からのひどい言葉にさらに傷つくということになり、自己肯定感も低くなってしまうということになります。
しかし、暴言を受けていることがあまり気にならないで、「言いたいことを言う家庭環境」と受け止めているなら、親や他人からひどい言葉を浴びせられてもそれで傷つき自己肯定感が低くなるということはないでしょう。
こんな例もあります。「家庭環境は何も問題がない」と感じているのに、むしろ「恵まれた家庭環境」だったのにも関わらず、自己肯定感が低い人は結構います。
このように家庭環境が影響はしていても、自己肯定感を低くするか高くするかは子ども本人が決めているということです。
親は子育てや子どもの教育に対して自分たちの責任を強く感じてしまいがちですが、家庭環境や親の養育方法だけで子どもの自己肯定感の高低が決まるわけではないことを知っておいてほしいと思います。
あなたももしかしたら、「私の自己肯定感が低いのは家庭環境のせいだ」と思っていらっしゃるかもしれません。ただ、それだけではないことを多少わかっていただけたでしょうか?次の章はそんなあなたに向けてお話しします。
家庭環境のせいで自己肯定感が低くなったと思っているあなたへ
自己肯定感が低い原因を「家庭環境」のせい、「親」のせいと思うと、そこから抜けられなくなり、それはそれで苦しい現実が待っているものです。
自己肯定感が低い原因は、自己肯定感を上げていき魂の成長をすることを目的に、無意識レベルではありますが自分自身が設定した事です。
なぜなら、現実で起こる事はすべて自分の思考が元にあるからです。
ただ、魂の成長は苦しい状況や厳しい状況の中でないとできないことが多いため、あなたにとってかなり苦しく耐えがたい状態になっています。環境のせい、誰かのせいと考えた方が自分の苦しさや辛さは多少楽なのです。
では、自己肯定感の低い原因を家庭環境や親のせいにしていることを止めるにはどうすればいいのでしょうか?そのためには以下の3つのステップを行うといいでしょう。
- 自分の心理に気付き、認める
- 自分に感謝する
- 環境のせい、人のせいを手放す
「家庭環境や親のせいにしたい自分がいるんだなあ」と気付き、認めます。家庭環境や親のせいにしないと苦しくて耐えられない自分のことを「それで良かっただよ」と、認めてあげることです。
人のせいにしてでも自分を守ってきた自分に感謝をしましょう。
「家庭環境や親のせいにして自分の辛さを少しでも軽くしてくれてありがとう」などと、お礼を言います。
「でも、もう家庭環境や親のせいにしなくてもいいよ。あなたなら自分の人生を自分で解決していくことができるよ。自然に助けも入ってくるよ。大丈夫だからもう人のせいは止めようね。」などと、自分の意識に話しかけます。
このようにすることで、自分が人生と向き合う勇気が出てくるようになります。ぜひ、試してみてくださいね。
さて、自己肯定感を高めることは家庭環境や親の対応とは直接関係があるわけではないことがお分かりいただけたと思いますが、それでも、家庭環境や親の対応によってできることがあるのでしょうか?
子供の自己肯定感を高める家庭環境の構築ポイント
家庭環境や親の言動を子どもがどのように受け取るかはその子どもによりますので、これからご紹介する方法が自己肯定感を高めていくことに効果があるかどうかはわかりません。
しかし、子どもに自己受容や自己信頼を伝えていくために、幼い子どもから成人した子どもにまでお使いいただける方法です。よろしければお試しください。
- 家族が一緒に食事をする
- 家族で挨拶や感謝をする
- 親が自己肯定感を高める
- 子どもの個性を尊重する
- 失敗したときやうまくいかないときにこそ子どもを勇気づける
- 一生懸命に生きていることを認める
- みんなが違う道を歩いていくことを話してあげる
家族が一緒に食事をする
家族一緒に食事をして時間を過ごすことで、自分が家族というグループに所属していることを感じられます。所属感を持つことはこの世界で自分の根っこが張るのと同じです。心身が安定します。
家族はいつも楽しい食事ができるわけではないですよね。時には喧嘩をしながら、時には無言でなんてこともあるかもしれません。
それでも、家族が一緒に食事をするのは同じ料理を分け合って食べることで、共に生きることです。
人とのつながりがあると感じられると、自分がこの世界で生きる価値があるという自己肯定や自己信頼につながっていくのです。
家族で挨拶や感謝をする
家族内で挨拶や感謝をすることを習慣にすることで、自己肯定感が高くなっていきます。
なぜなら、親から挨拶や感謝をされるということは、子どもの存在を認めているということを間接的に伝える行為だからです。
朝起きて親から「おはよう!」と挨拶されれば、子どもも「おはよう」と返すようになります。自分を受け入れられている、相手を受け入れるという受容のレッスンが挨拶です。
感謝することを家庭内で覚えると、様々なことに感謝できるようになります。感謝することは相手の心に喜びをもたらすだけではなく、感謝した本人にたくさんの幸福感をもたらします。
ポジティブ心理学者でもあるショーン・エイカー氏は感謝することの効果の一つとして、自分を否定することが減っていくと言っています。ここからも感謝することが自己受容につながっていくことがうかがえます。
感謝や挨拶はポジティブなエネルギーを生み出し、潜在意識に届きそのポジティブな思考エネルギーがそれに見合た現実を創っていきますから、自分への信頼を深めていけるようになります。
親が自己肯定感を高める
子どもの自己肯定感を高めるのに一番効果があるのは、親自身が自己肯定感を高めることです。
それは、「子は親の鏡」であり、親が見ている子どもは親が映し出されたものですから、子どもの自己肯定感が低いと感じているなら、親であるあなたの自己肯定感が低いということなのです。
「人を変えるよりも自分を変えた方が変化が早い」とよく言われますが、まさにその通りで、子どもの自己肯定感を上げたいと思うなら親が自己肯定感を上げればいいのです。
自己肯定感を上げたいと思われるのでしたら、以下の記事が参考になると思います。
子どもの個性を尊重する
子どもの性格はどの子もみんな違います。どのような性格が良いとか悪いとかはなく、みんなそれぞれに個性的でそれが当たり前なのです。その個性を尊重することで、子どもは自分のことを受け入れることができるようになります。
例えば、わが子が元気過ぎると問題が起きたりして、親からすると「もっと落ち着いた子どもになってほしい」と思ったりします。そのように思われた子どもは、親から自分を否定されているように感じてしまい、自分を否定するようになりがちです。
元気過ぎる子どもは、それだけパワーに満ち溢れているということですから、その性格を受け入れて仲良くしていけばその子らしく生きることができるようになります。
子どもの個性を尊重して、その子らしさを親が受け入れて行けば、子どももまた自己受容ができるようになるのです。
失敗したときやうまくいかないときにこそ子どもを勇気づける
親は子どもがうまくできたときに褒めたり、認めたりしがちですが、失敗したときやうまくいかないときこそ子どもを勇気づけることで、自己肯定感が高められていきます。
失敗したときや物事がうまくいかないときは、自信がなくなり落ち込みやすくなります。親が子どもを勇気づけることで子どもは慰められ、一人でも困難を乗り越える勇気が生まれます。
勇気づける例を一つご紹介します。忙しい時間に子どもに食事作りの手伝いをしてもらっていたら、作った料理のお皿を子どもがひっくり返してしまったとします。
こうしたときに親は、「なにやってるの!」などと子どもの勇気をくじきがちですが、「大丈夫よ。ママは急いでもう一品何か作るから、あなたは落とした物を片付けてもらえる?」などと声掛けします。
勇気づけられると子どもは、失敗しても大丈夫なんだと安心します。失敗したらどうすればいいのか対処法も身につけられ、自己肯定感が育っていきます。
仮に怒ってしまっても、「ごめんね、忙しかったから焦って怒っちゃったの。大丈夫だよ、一緒に片付けよう。」などとフォローできるといいですね。
一生懸命に生きていることを認める
子どもも大人と同じように悩みや苦しみがあります。それでも「一生懸命に生きている」ことを認めてあげることで、子どもの自己肯定感は高められていきます。
友だちとの付き合いや勉強、自分の性格や身体のことなどで悩んでいる子どもにとって、生きていくことは辛いときもあります。それでも懸命に生きていることは素晴らしいことです。「一生懸命に生きている」ことを認めてあげることで子どもは自分の存在意義を感じられるようになるでしょう。
直接子どもに言わなくても、親が子どもの一生懸命に生きる姿を感じてあげ、見守るだけでも子どもにその思いは深いところで伝わりますが、言葉で伝えればより子どもは親の考えを感じ取れるでしょう。
みんなが違う道を歩いていくことを話してあげる
チャンスを見つけて、「人は同じように生きているように見えるけれど、みんなそれぞれに違う人生を歩んでいる」ということを話してあげると、自己肯定感が育っていきます。
子どもは人生に対しての疑問を持っているものです。直接その答えにはならなくても、自分は自分、人は人ということが理解できるようになり、自分と他人を比べることがなくなります。そうなることで、自分や自分の生き方を受け入れることができるようになるのです。
みんな同じ生き方をしていると思っているので、人をうらやんだり、自分は駄目だと思ったりしてしまうのです。人にはその人の生きる道があり、誰も同じ道を歩くことはできません。自分なりの道を「これでいい」と生きていくことで、生まれた意味を少しずつ消化していくことができるのです。
最後に
今回は家庭環境が自己肯定感に影響するのかどうかについてお話ししました。いかがでしたでしょうか?
自己肯定感が低いと感じているのでしたら、この人生であなたは自己肯定感を高めることが一つの目標なのかもしれません。自己肯定感を高めることは、いくつになってもできますので、子どもの頃の家庭環境や親の育て方にこだわり過ぎず、この先の人生をよくしていってくださいね。
家庭環境や親への不満が解消されないという方は、ぜひカウンセリングを受けにいらしてください。お待ちしています。